Bar KEIZは音楽を愛しています。
今日から不定期で、KEIZの愛する音楽を紹介していこうと思います。
第二回目は、ビートルズの「抱きしめたい」です。
抱きしめたい/I Want to Hold Your Hand
〔データ〕
1964年2月1日1位。
それ以降計7週間1位を続ける。
HOT100での滞在時間は15週間。
当初アメリカでは1964年1月13日に20万枚発売することにしていたが、これはキャピトル・レコードの東部運営部長のブラウン・メグズの判断によるもの。
その後サンプル盤による煽りが効いて、発売日は12月26日に繰り上げ変更となり枚数も100万枚に増幅された。
結局、世界中で1,500万枚以上が売れて、イギリスではシングルとして史上最多売上の記録を作るに到る。
〔内容〕
ビートルズは、パリのジョルジェ・サンク・ホテルに滞在中、「抱きしめたい」が全米1位になったという情報を受けた。
ビートルズのアメリカでの最初の受け方はイイ話しばかりではない。
メディアの反応は暖かい歓迎と冷やかし半分の二つに分かれた。
ニューヨークのラジオ局WNEWのウイリアム・ウイリアムズは「連中は抱きしめたいと言っているが、実はやつらの鼻をつまみたいと思っている者が沢山いる」と語った。
この作品はジョンとポールの作品で、二人はハーリー通りにあるジェーン・アッシャーの両親の家でこの歌を作り、1963年10月17日木曜日に吹き込んだ。
EMIの新しい4トラックの機械をビートルズとしては初めて使った。
曲調はリフの効いたハード・ロック。
イントロからメインチューンに入るまでにジョンがフリーにやるのでインの部分がかなり難しい。
ウラメロがとても綺麗なのでムード音楽にもよく使われるのは意外な感じもする。
ビートルズの作品中、おそらく最も重要な曲で、これがきっかけとなって世界中にビートルズの存在は知られることとなった。
しかし、この大成功に到るまでの間に4枚のシングル盤がマイナー・レーベル(ヴィージェイ、スワン、トリー等)から発売され、うまくいかなかったのに、突然この作品が巨大なヒットを記録するというのは何か特別の理由が必要だと思われる。
それは1963年11月22日のテキサス州ダラスに於ける第35代大統領ケネディの暗殺である。
1962年10月のキューバ事件では、フルシチョフ首相のソ連に対して強硬な態度でのぞみ、世界大戦に繋がる恐れのあるミサイルをキューバからすべて撤去させることに成功、西側世界のアイドル的スーパースターになった。
このケネディ大統領が暗殺されたのだから世界は泣いた。
妻ジャクリーヌも美しく、子供達も皆可愛いので、その分悲劇性が格別に盛り上がった。
世界が哀しみの悲劇に沈鬱になっている時、正にその時にビートルズはアメリカから世に出たのである。
アイドル、ケネディ大統領の消滅から間隙をぬうかの如く登場したのがビートルズ、という訳だ。
英米の学界にもこの説を肯定的にとらえる人がいると聞くが、私自身はこの考えはあっていると思っている。
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